地方移住で利用できる支援制度一覧|移住支援金・住宅・仕事・子育てを解説

地方移住で利用できる移住支援金や住宅・仕事・子育て支援を紹介するアイキャッチ画像 移住前の準備
※本記事はプロモーションを含みます。

地方移住を検討していると、「移住すれば支援金をもらえる」「自治体から家や引っ越し費用を出してもらえる」と聞くことがあります。

実際に、国や自治体では、移住支援金、住宅購入、家賃、空き家改修、仕事、起業、子育てなどに関する支援制度を設けています。

ただし、地方へ引っ越せば、すべての人が支援を受けられるわけではありません。

制度ごとに、移住前の居住地、年齢、世帯構成、移住後の仕事、住宅の契約時期、居住年数などの条件があります。

主な支援制度は、次のように分けられます。

支援の種類主な内容
移住支援金対象地域への移住と就業・テレワーク・起業などを支援
自治体独自の支援定住奨励金、引っ越し費用、交通費など
住宅支援住宅購入、家賃、空き家購入・改修費用など
仕事・起業支援就職、起業、就農、奨学金返還など
子育て支援子どもの加算、医療費、保育料、住宅費など
お試し移住短期住宅、移住ツアー、交通費・宿泊費など
ローカリアン
ローカリアン

私は2022年に大阪から宮崎県宮崎市へ移住し、移住後に約90万円の支援を受けました。
ただし、申請から振り込みまで時間がかかり、引っ越しや賃貸契約の費用は自分で先に支払っています。

私の場合は、移住後の2023年1月ごろに申請し、実際に支援金が振り込まれたのは、その約2か月後でした。

移住してから受け取るまでには4〜5か月ほどかかったため、支援金を引っ越し費用としてすぐに使うことはできませんでした。

また、制度内容は年度ごとに変更されることがあり、予算上限や申請期限が設けられている場合もあります。

この記事では、地方移住で利用できる支援制度を、移住支援金、住宅、仕事・起業、子育て、お試し移住に分けて解説します。

支援制度は、移住後に探すのではなく、家の契約や引っ越しを決める前に自治体へ確認しましょう。
支援金がなくても移住できる資金計画を立てておくことも重要です。

  1. 地方移住で利用できる支援制度一覧
    1. 国の地方創生移住支援金
    2. 自治体独自の移住・定住支援金
    3. 住宅取得・家賃・空き家改修の支援
    4. 就職・起業・就農の支援
    5. 子育て・教育に関する支援
    6. お試し移住・現地訪問の支援
  2. 国の地方創生移住支援金とは?
    1. 東京23区の在住者・通勤者などが主な対象
    2. 移住支援事業を実施する自治体への転入が必要
    3. 就職・テレワーク・起業などの条件がある
    4. 単身と世帯で支給上限が異なる
    5. 子どもを帯同する世帯には加算がある
    6. 申請後も一定期間住み続ける必要がある
  3. 自治体独自の移住・定住支援制度
    1. 移住者への定住奨励金
    2. 引っ越し費用の補助
    3. 若者・子育て世帯向けの加算
    4. Uターン・Iターンの交通費補助
    5. 奨学金返還支援
  4. 地方移住で利用できる住宅支援
    1. 住宅購入費の補助
    2. 民間賃貸住宅の家賃補助
    3. 空き家の購入・改修費用の補助
    4. 空き家バンク利用者への支援
    5. 住宅の取得には居住年数などの条件がある
  5. 地方移住の仕事・起業で利用できる支援
    1. 移住支援金の対象求人
    2. 地方での起業に利用できる起業支援金
    3. 大学生向けの地方就職支援金
    4. 新規就農者向けの支援制度
    5. 地域おこし協力隊として働く方法
  6. 子育て世帯が利用できる移住支援
    1. 子どもを帯同する場合の移住支援金加算
    2. 子どもの医療費助成
    3. 保育料・給食費・教育費の支援
    4. 住宅取得や家賃補助の子育て世帯加算
    5. 制度だけでなく保育園や病院も確認する
  7. お試し移住・現地訪問で利用できる支援
    1. 自治体のお試し住宅
    2. 移住相談ツアー
    3. 現地訪問の交通費・宿泊費補助
    4. オンライン移住相談
    5. 観光目的では利用できない場合がある
  8. 私が大阪から宮崎へ移住して約90万円の支援を受けた流れ
    1. 移住前に利用できる制度を確認した
    2. 宮崎市へ移住した後に申請した
    3. 申請から振り込みまで約2か月かかった
    4. 引っ越しと賃貸契約には自分の資金を使った
    5. 支援金を受け取る前提で移住しない方がよいと感じた
  9. 移住支援制度を利用するときの注意点
    1. 移住する前に自治体へ相談する
    2. 契約・購入・工事前の申請が必要な場合がある
    3. 予算上限に達すると受付が終了することがある
    4. 申請すれば必ず受給できるわけではない
    5. 居住・就業期間を満たさないと返還を求められる場合がある
    6. 複数の補助金を併用できないことがある
  10. 移住先の支援制度を調べる方法
    1. 市区町村の移住・定住サイトを確認する
    2. 都道府県の移住ポータルサイトを確認する
    3. 自治体の移住相談窓口へ問い合わせる
    4. 空き家バンクと住宅支援を一緒に調べる
    5. 制度の対象年度と申請期限を確認する
  11. 支援制度だけで移住先を決めない
    1. 一時的な支援金より毎月の収支が重要
    2. 仕事と収入を先に確認する
    3. 車・家賃・光熱費を含めて生活費を計算する
    4. 支援が終了した後も暮らせるか考える
  12. 地方移住の支援制度を確認するチェックリスト
  13. まとめ|地方移住の支援制度は移住前の確認が重要

地方移住で利用できる支援制度一覧

地方移住で利用できる6種類の支援制度をまとめた図解

地方移住で利用できる可能性がある支援制度は、国の地方創生移住支援金だけではありません。

自治体によっては、住宅の購入や改修、引っ越し、就職、起業、子育て、現地訪問などを対象とした独自の制度を設けています。

ただし、制度名が似ていても、対象者や支給額、申請時期は自治体によって異なります。

まずは、どのような支援があるのか全体像を確認しましょう。

支援制度主な対象主な注意点
地方創生移住支援金東京23区の在住者・通勤者など対象自治体や就業などの条件がある
自治体独自の移住支援市外・県外からの移住者年齢や世帯構成、居住年数などが指定される
住宅支援住宅の購入・賃借・改修をする人契約や工事の前に申請が必要な場合がある
仕事・起業支援就職、起業、就農などをする人対象求人や事業内容が限定される
子育て支援子どもを帯同する世帯年齢や所得、住所などの条件がある
お試し移住支援移住を具体的に検討している人観光目的では利用できない場合がある

同じ人が複数の制度を利用できる場合もありますが、補助対象の重複や併用を認めていない制度もあります。申請前に自治体へ確認してください。

国の地方創生移住支援金

地方創生移住支援金は、東京23区に住んでいる人や、東京圏から東京23区へ通勤している人などが、対象地域へ移住して就業・起業などを行う場合に利用できる可能性がある制度です。

国が自治体の取り組みを支援し、実際の申請受付や支給は、制度を実施している都道府県と市町村が行います。

すべての移住先で実施されているわけではなく、同じ都道府県内でも対象になる市町村と対象外の市町村があります。

また、大阪、名古屋、福岡などから移住するだけでは、国の地方創生移住支援金の移住元要件を満たさないのが基本です。

制度の実施地域と最新条件は、「内閣府地方創生推進事務局の移住支援金案内」で確認できます。

自治体独自の移住・定住支援金

国の地方創生移住支援金とは別に、市区町村が独自の移住・定住支援制度を設けていることがあります。

国の制度では対象にならない地域からの移住でも、自治体独自の条件を満たせば利用できる可能性があります。

  • 市外または県外から転入する
  • 一定年齢以下である
  • 子育て世帯や新婚世帯である
  • 自治体内で就職・起業する
  • 一定年数以上住み続ける意思がある
  • 自治会へ加入する

対象となる移住元を「県外」としている制度もあれば、「市外」や「三大都市圏」などに限定している制度もあります。

支援金の名称だけで判断せず、住所、年齢、仕事、世帯構成、転入日などの要件を確認しましょう。

住宅取得・家賃・空き家改修の支援

地方移住に関する制度の中でも、自治体ごとの差が大きいのが住宅支援です。

  • 新築住宅や中古住宅の購入費
  • 民間賃貸住宅の家賃
  • 空き家バンク登録物件の購入費
  • 空き家の改修や家財処分
  • 住宅設備の修繕
  • 引っ越しや荷物の運搬

住宅関連の補助金は、売買契約、賃貸契約、工事の着工より前に申請しなければならない場合があります。

補助金の存在を知らずに契約や工事を進めると、ほかの条件を満たしていても対象外になる可能性があります。

「契約後に申請すればよい」とは限りません。住宅を決める前に、自治体の移住担当窓口と住宅担当窓口の両方へ確認しましょう。

就職・起業・就農の支援

地方で働く人を増やすため、仕事に関する支援を行っている国や自治体もあります。

  • 対象求人への就職に伴う移住支援金
  • 就職面接や企業訪問の交通費
  • 地域課題を解決する事業への起業支援
  • 空き店舗の改修費や家賃
  • 農業研修や経営開始に関する支援
  • 奨学金の返還支援

国の起業支援金は、一般的な開業であれば必ず利用できるものではありません。

地域課題の解決につながる社会的事業であることなどが求められ、自治体による審査もあります。

また、就農支援には、研修前、経営開始時、農業機械や施設の導入時など、段階ごとに異なる制度があります。

子育て・教育に関する支援

子育て世帯の移住を促進するため、子どもの人数や年齢に応じた支援を設けている自治体もあります。

  • 移住支援金への子ども加算
  • 住宅購入費や家賃補助の加算
  • 子どもの医療費助成
  • 保育料や給食費への支援
  • 入学時の祝い金や学用品費
  • 通学費やスクールバスへの支援

医療費助成や保育料などは、移住者だけではなく、その自治体に住む子育て世帯全体が対象となる制度もあります。

移住支援制度だけでなく、日常的に利用できる子育て制度も含めて比較しましょう。

お試し移住・現地訪問の支援

移住前に地域との相性を確認してもらうため、お試し住宅や移住体験ツアーを用意している自治体があります。

  • 自治体が管理するお試し住宅
  • 移住相談ツアー
  • 現地訪問時の交通費補助
  • 宿泊費やレンタカー代の補助
  • オンラインでの移住相談

ただし、自治体への移住相談、仕事探し、住宅見学、地域交流などを利用条件としている制度もあります。

観光や帰省だけを目的とした利用は、対象外になる可能性があります。

全国の自治体が公開している支援制度は、「ニッポン移住・交流ナビ JOINの自治体支援制度検索」でも探せます。

国の地方創生移住支援金とは?

地方創生移住支援金の対象条件と支給額をまとめた図解

地方創生移住支援金は、東京一極集中の是正や地方の人材確保を目的として、対象地域へ移住して就業・起業などを行う人を支援する制度です。

一般に「国の移住支援金」と呼ばれますが、制度の実施主体は地方公共団体です。

都道府県と市町村が共同で実施し、支給額や細かな条件は自治体によって異なります。

国が全国の移住者へ直接一律に支給する制度ではありません。移住元・移住先・仕事など、複数の要件をすべて満たす必要があります。

東京23区の在住者・通勤者などが主な対象

移住元の主な対象は、東京23区に住んでいた人、または東京圏の対象地域から東京23区へ通勤していた人です。

原則として、移住直前の10年間のうち通算5年以上、かつ直近1年以上、対象となる在住・通勤実績が求められます。

東京圏とは、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県を指しますが、一部の条件不利地域は扱いが異なります。

また、雇用者として東京23区へ通勤していた期間については、雇用保険の被保険者であることなどの条件があります。

自分が対象になるか判断しにくい場合は、住民票、勤務先、雇用保険、通勤期間が分かる書類を用意して、移住先の自治体へ相談しましょう。

移住支援事業を実施する自治体への転入が必要

移住先は、東京圏外の道府県または東京圏内の条件不利地域で、移住支援事業を実施している市町村である必要があります。

地方へ転入しても、移住先の市町村が事業を実施していなければ、この移住支援金は利用できません。

また、制度を実施している自治体でも、申請受付期間や予算額が設定されています。

移住候補地を決める段階で、その年度に制度を実施しているか確認してください。

就職・テレワーク・起業などの条件がある

移住元と移住先の条件に加えて、移住後の仕事などに関する要件も満たす必要があります。

主な対象には、次のようなケースがあります。

  • 都道府県のマッチングサイトに掲載された対象求人へ就職する
  • 専門人材向けのマッチング事業などを通して就職する
  • 移住前の仕事をテレワークで継続する
  • 移住先の地域課題を解決する社会的事業を起業する
  • 自治体が独自に認める関係人口などの要件を満たす

一般的な転職サイトで見つけた求人へ就職しただけでは、対象求人の要件を満たさない場合があります。

応募前に、その求人が移住支援金の対象として登録されているか確認しましょう。

対象求人は、「内閣府のふるさと求人案内」から各都道府県のマッチングサイトを探せます。

単身と世帯で支給上限が異なる

国の制度上、移住支援金の上限は、世帯で最大100万円、単身で最大60万円です。

ただし、「最大」とされているため、すべての自治体が上限額を支給するとは限りません。

自治体によって支給額や予算、対象となる世帯の定義などが異なります。

移住する人国の制度上の支給上限
単身で移住最大60万円
世帯で移住最大100万円
18歳未満の子どもを帯同子ども1人につき最大100万円を加算する場合がある

※実際の金額や子どもの年齢判定、世帯要件は、申請先の自治体が公表する最新情報を確認してください。

子どもを帯同する世帯には加算がある

18歳未満の子どもを帯同して対象地域へ移住する場合は、子ども1人につき最大100万円が加算される場合があります。

ただし、子どもが世帯員として一緒に転入することや、申請年度における年齢などの条件があります。

子どもが後から転入する場合や、進学のため別居する場合などは扱いが異なる可能性があるため、事前確認が必要です。

申請後も一定期間住み続ける必要がある

移住支援金は、短期間だけ住所を移せば受け取れる制度ではありません。

原則として、転入後1年以内に申請し、申請日から5年以上、移住先の市町村に継続して住む意思があることなどが求められます。

受給後に短期間で転出したり、対象となった仕事を早期に辞めたりした場合は、支援金の全額または一部の返還を求められる可能性があります。

転職、介護、離婚、災害など、やむを得ない事情が発生した場合の扱いも自治体によって異なります。

支援金を受け取った後の転出や退職についても条件があります。
申請時には受給要件だけでなく、返還要件まで確認しましょう。

自治体独自の移住・定住支援制度

自治体独自の移住・定住支援制度の種類をまとめた図解

国の移住支援金の対象外でも、自治体独自の移住・定住支援を利用できる場合があります。

独自制度は地域による違いが大きく、同じ都道府県内でも市町村ごとに内容が変わります。

移住者への定住奨励金

市外や県外から転入する人へ、定住奨励金や移住祝い金などを支給する自治体があります。

主な条件として考えられるのは、次の項目です。

  • 転入前に一定期間、市外や県外に住んでいた
  • 対象年齢以下である
  • 市内で就職または起業している
  • 住宅を購入または賃借している
  • 数年以上住み続ける意思がある
  • 税金を滞納していない

転入した全員ではなく、若者、子育て世帯、Uターン者などに対象を限定している制度もあります。

引っ越し費用の補助

移住時に利用した引っ越し業者や荷物の運搬費用の一部を補助する自治体があります。

ただし、次の費用がすべて補助対象になるとは限りません。

  • 引っ越し業者の料金
  • 宅配便や荷物の送料
  • レンタカー代
  • 不用品の処分費
  • 家具・家電の購入費
  • 本人や家族の交通費

領収書や契約書の提出が必要になることが多いため、移住に関する支払い記録は保管しておきましょう。

若者・子育て世帯向けの加算

若者や子育て世帯の定住を促進するため、基本の支援額に加算を設けている自治体があります。

  • 申請者や配偶者が一定年齢以下
  • 18歳未満の子どもがいる
  • 新婚世帯である
  • 三世代で同居または近居する
  • 地域内で住宅を取得する

年齢は申請日、転入日、年度末など、制度ごとに判定する時点が異なります。

申請時点では対象年齢を超えてしまう可能性もあるため、早めに確認してください。

Uターン・Iターンの交通費補助

移住前の相談、就職面接、住宅見学などのために現地を訪れる人へ、交通費や宿泊費を補助する自治体があります。

利用には、自治体の移住相談窓口を通すことや、訪問先・活動内容を事前に申請することが求められる場合があります。

自分で旅行を予約し、現地へ行った後から申請しても対象にならない可能性があります。

現地訪問の補助を利用したい場合は、航空券や宿泊施設を予約する前に自治体へ相談しましょう。

奨学金返還支援

若者の就職・定住を促すため、奨学金の返還額の一部を支援する自治体や企業があります。

主な条件には、自治体内に住所を置くこと、対象企業で働くこと、一定期間勤務することなどがあります。

制度によっては、移住者に限らず、地元出身者や新卒者も対象です。

就職先を決める前に、自治体の制度と企業独自の奨学金返還支援の両方を確認しましょう。

地方移住で利用できる住宅支援

地方移住で利用できる住宅購入や家賃、空き家改修の支援制度をまとめた図解

住宅支援には、購入費、家賃、空き家改修費などがあります。

補助額が大きい制度もありますが、居住年数や物件、施工業者などの条件が細かく定められていることがあります。

住宅購入費の補助

自治体内で新築住宅や中古住宅を購入する移住者へ、取得費の一部を補助する制度があります。

補助額は、基本額に子どもの人数や地域、住宅の種類などによる加算を組み合わせる場合があります。

  • 新築・中古のどちらが対象か
  • 市内の施工業者を利用する必要があるか
  • 土地の購入費も含まれるか
  • 移住者以外の住宅所有者が対象になるか
  • 住宅ローンの利用が条件か
  • 何年以上住む必要があるか

売買契約や建築請負契約の前に、交付申請や事前認定が必要な制度もあります。

民間賃貸住宅の家賃補助

移住後に民間賃貸住宅へ住む人を対象に、家賃の一部を一定期間補助する自治体があります。

家賃全額ではなく、勤務先から支給される住宅手当などを差し引いた金額を基に計算する制度もあります。

  • 対象となる家賃の上限
  • 補助を受けられる期間
  • 勤務先の住宅手当との関係
  • 公営住宅や社宅が対象になるか
  • 親族所有の住宅が対象になるか
  • 年齢や所得の制限

補助期間が終了した後も同じ家賃を支払えるか、契約前に考えておきましょう。

空き家の購入・改修費用の補助

空き家の活用を促すため、購入費や改修費の一部を補助する制度があります。

主な補助対象として考えられる工事は、次のとおりです。

  • 屋根や外壁の修繕
  • 台所・浴室・トイレの改修
  • 床や壁、天井の修繕
  • 給排水・電気設備の工事
  • 断熱・耐震改修
  • 残置物や家財の処分

自治体内の事業者による施工が条件となる場合や、DIYの材料費が対象外となる場合もあります。

補助対象とならない工事を先に始めないよう、見積もり段階で自治体へ相談してください。

空き家バンク利用者への支援

自治体の空き家バンクに登録された物件を購入・賃借した人に限定して、補助金を交付する制度があります。

一般の不動産情報サイトで見つけた物件は、同じ地域の空き家であっても対象にならない可能性があります。

空き家バンクを利用する際は、物件価格だけでなく、次の費用も確認しましょう。

  • 改修費用
  • 家財の処分費
  • 仲介手数料
  • 固定資産税
  • 庭や敷地の管理費
  • 上下水道や浄化槽の整備費

空き家バンクは物件情報を紹介する仕組みであり、自治体が建物の状態や取引を保証するものではありません。

契約前に、専門家による建物調査や修繕見積もりを検討しましょう。

住宅の取得には居住年数などの条件がある

住宅関連の補助金は、移住後に一定期間住み続けることを条件としている場合があります。

補助を受けた後、条件を満たす前に住宅を売却したり、市外へ転出したりすると、返還が必要になる可能性があります。

  • 最低居住年数
  • 住宅の売却・賃貸制限
  • 世帯員全員の転入が必要か
  • 住所変更の期限
  • 転出時の返還条件
  • 毎年の居住確認があるか

住宅支援を利用するときは、補助額だけでなく、申請の順番、居住年数、転出・売却時の返還条件まで確認しましょう。

自治体による家賃、住宅取得、リフォームなどの支援例は、「内閣府の移住に関する住まいの案内」でも紹介されています。

地方移住の仕事・起業で利用できる支援

地方移住で利用できる就職・起業・就農などの支援制度をまとめた図解

地方移住では、住まいだけでなく、移住後の仕事に関する支援を利用できる場合があります。

主な制度は、対象求人への就職、地方での起業、新規就農、地域おこし協力隊などです。

ただし、地方で働けば自動的に支援を受けられるわけではありません。

制度ごとに、移住元、就職先、雇用形態、事業内容、年齢、申請時期などの条件があります。

移住支援金の対象求人

国の地方創生移住支援金を就職要件で利用する場合は、原則として、都道府県のマッチングサイトに掲載された移住支援金の対象求人へ就職する必要があります。

一般の転職サイトに掲載されている求人へ応募しただけでは、支援金の対象にならない場合があります。

求人へ応募する前に、次の点を確認しましょう。

  • 移住支援金の対象求人として登録されているか
  • 勤務地が対象地域にあるか
  • 雇用期間や勤務時間の条件を満たすか
  • 就職後も一定期間働く意思が必要か
  • 転勤や出向ではなく新規雇用に当たるか
  • 親族が経営する会社への就職が対象になるか

対象求人は、「内閣府のふるさと求人案内」から、各都道府県のマッチングサイトを探せます。

移住支援金を利用したい場合は、内定後ではなく、求人へ応募する前に対象求人か確認しましょう。

地方での起業に利用できる起業支援金

地方創生起業支援金は、地域の課題解決につながる社会的事業を新たに始める人を支援する制度です。

制度上は、起業に必要な対象経費の2分の1に相当する額について、最大200万円の支援を受けられる場合があります。

ただし、地方で開業すれば、どのような事業でも対象になるわけではありません。

地域の課題を解決する事業として、社会性、事業性、必要性などの審査を受けます。

対象として想定される事業には、次のような例があります。

  • 子育てや高齢者の生活を支援する事業
  • 買い物や移動に困っている人を支援する事業
  • 地域産品を活用した商品・サービス
  • 空き家や空き店舗を活用する事業
  • 地域の観光や交流を促進する事業
  • 地域住民の雇用を生み出す事業

申請前に事業計画の審査があり、採択されなければ支援は受けられません。

また、交付決定前に支払った経費は補助対象にならない可能性があります。

店舗契約、設備購入、工事などを先に進めると、補助対象外になる場合があります。起業準備を始める前に、都道府県や事業の執行団体へ相談してください。

制度の概要は、「内閣府地方創生推進事務局の起業支援金案内」で確認できます。

大学生向けの地方就職支援金

東京圏の対象大学・大学院から地方へ就職し、移住する学生は、地方就職支援金を利用できる場合があります。

対象となれば、地方企業の選考などへ参加するための交通費の一部や、実際に地方へ移住する際の移転費が支援されます。

主な確認項目は、次のとおりです。

  • 在学する大学やキャンパスが対象か
  • 大学・大学院の卒業または修了時期
  • 就職先と勤務地が制度の条件を満たすか
  • 移住先の市町村が制度を実施しているか
  • 交通費や引っ越し費用の領収書を保管しているか
  • 卒業・就業・移住後の申請期限を満たすか

制度は地方公共団体が主体となって実施しており、対象者や支給額の詳細は地域によって異なります。

最新情報は、「内閣府の地方就職支援金案内」と、移住先の市町村で確認してください。

新規就農者向けの支援制度

地方へ移住して農業を始めたい人は、研修、経営開始、農業機械や施設の導入などに関する支援を利用できる場合があります。

国の支援には、認定新規就農者制度、就農準備資金、経営開始資金、経営発展支援事業などがあります。

ただし、農地を借りたり農業を始めたりすれば、自動的に資金が交付されるわけではありません。

市町村による青年等就農計画の認定や、年齢、前年所得、研修内容、経営計画などの要件が設けられています。

  • どの作物をどれくらい生産するか
  • 農地を確保できるか
  • 農業研修をどこで受けるか
  • 機械や施設にいくら必要か
  • 農業収入が安定するまでどう生活するか
  • 支援終了後も経営を続けられるか

農業を始めたい場合は、移住先の市町村、都道府県の普及指導センター、農業委員会などへ早い段階で相談しましょう。

現在の制度は、「農林水産省の新規就農の促進」で確認できます。

地域おこし協力隊として働く方法

地域おこし協力隊は、都市部などから地方へ移住し、自治体の委嘱を受けて、地域の課題解決や活性化に取り組む制度です。

活動期間は一般的に1〜3年間で、自治体ごとに募集内容や待遇、活動分野が異なります。

活動例には、次のようなものがあります。

  • 地域産品の開発や販売
  • 観光情報や地域の魅力の発信
  • 空き家や移住相談への対応
  • 農林水産業の支援
  • 地域交通や買い物支援
  • 子育て・教育・福祉に関する活動

住まいの提供や家賃補助がある募集もありますが、すべての自治体が同じ条件ではありません。

応募時には、給与や活動費だけでなく、次の条件を確認してください。

  • 雇用契約の有無と勤務時間
  • 社会保険や副業の扱い
  • 住居と車の用意
  • 担当する活動と成果目標
  • 任期終了後の仕事や定住支援
  • 途中退任した場合の住まい

地域おこし協力隊は、移住支援金を受け取るだけの制度ではありません。地域で担当する仕事や任期終了後の働き方まで確認して応募しましょう。

制度の概要と募集情報は、「JOINの地域おこし協力隊ページ」で確認できます。

子育て世帯が利用できる移住支援

子育て世帯が利用できる移住支援と生活環境の確認項目をまとめた図解

子育て世帯の地方移住では、移住時に受け取る支援だけでなく、移住後に継続して利用できる制度も確認することが重要です。

一時的な支援額が大きくても、保育園、病院、学校、通学手段などが生活に合わなければ、長く暮らし続けることは難しくなります。

子どもを帯同する場合の移住支援金加算

国の地方創生移住支援金では、18歳未満の子どもを帯同して対象地域へ移住する世帯に、子ども1人につき最大100万円が加算される場合があります。

ただし、実際の加算額や年齢の判定日、子どもの転入時期などは自治体によって異なります。

世帯主だけが先に転入し、子どもが後から移住する場合などは、対象にならない可能性があります。

家族の転入時期を決める前に、申請先の自治体へ確認してください。

子どもの医療費助成

子どもの医療費助成は、多くの自治体で実施されていますが、対象年齢、自己負担額、所得制限、県外受診時の手続きなどが異なります。

  • 何歳まで助成を受けられるか
  • 通院と入院の両方が対象か
  • 1回または1か月当たりの自己負担額
  • 所得制限があるか
  • 県外の医療機関を受診した場合の申請方法
  • 受給資格証の発行に必要な手続き

助成額だけでなく、小児科、夜間診療、救急病院までの距離も確認しましょう。

保育料・給食費・教育費の支援

自治体によっては、保育料、給食費、学用品、通学費などへの独自支援があります。

  • 第2子以降の保育料軽減
  • 学校給食費の無償化や一部助成
  • 入学祝い金や学用品費
  • 遠距離通学の交通費
  • スクールバスの運行
  • 高校生までの教育・生活支援

保育料や給食費が安くても、希望する保育園へ入れない、送迎に長時間かかるなどの問題が起きることがあります。

費用と合わせて、定員、待機児童、開所時間、延長保育、通園距離も調べてください。

住宅取得や家賃補助の子育て世帯加算

住宅購入や家賃補助では、子どもの人数に応じた加算を設けている自治体があります。

若者世帯、新婚世帯、ひとり親世帯などを別の対象区分としている制度もあります。

主な確認項目は、次のとおりです。

  • 対象になる子どもの年齢
  • 妊娠中の子どもを含むか
  • 世帯員全員の転入が必要か
  • 住宅の購入・賃貸契約前に申請が必要か
  • 何年間住み続ける必要があるか
  • 転出時の返還条件

制度だけでなく保育園や病院も確認する

子育て世帯の移住では、受け取れる金額だけで移住先を決めないようにしましょう。

移住後に日常的に必要になるのは、保育園、学校、病院、公園、買い物先などです。

私たちが宮崎で子育てを始めた際は、子ども園、子育て支援センター、公園、小児科など、実際に利用する場所を一つずつ確認しました。

自治体の制度一覧だけでは分からないため、現地を訪れたり、子育て支援窓口へ相談したりすることが大切です。

子育て世帯は、一時的な支援金に加えて、保育園の入りやすさ、医療機関、通学、移動手段まで確認しましょう。

お試し移住・現地訪問で利用できる支援

お試し住宅や移住相談ツアー、現地訪問費用の支援をまとめた図解

移住先を決める前に地域で生活を試したい人は、お試し住宅、移住体験ツアー、交通費・宿泊費補助などを利用できる場合があります。

利用条件は自治体ごとに異なり、単なる旅行や帰省では対象にならない制度もあります。

自治体のお試し住宅

お試し住宅は、移住を具体的に検討している人が、一定期間地域で暮らせるように自治体などが用意した住宅です。

一般の宿泊施設より低い料金で利用できる場合がありますが、施設や制度によって条件が異なります。

  • 利用できる日数
  • 対象となる移住希望者
  • 移住相談への参加が必要か
  • 家具・家電・寝具の有無
  • 水道光熱費が料金に含まれるか
  • インターネット回線を利用できるか
  • 車がなければ生活できない場所か

人気の地域では予約が埋まりやすく、利用できる時期が限られることもあります。

移住相談ツアー

自治体や移住支援団体が、住宅、仕事、子育て施設、地域住民との交流などを組み合わせた移住相談ツアーを実施することがあります。

個人旅行では訪問しにくい企業や地域施設を見学できる点がメリットです。

ただし、ツアーで案内された場所だけを見て、地域全体を判断しないようにしましょう。

自由時間にもスーパー、病院、道路、夜間の環境などを確認すると、生活のイメージを持ちやすくなります。

現地訪問の交通費・宿泊費補助

移住相談、就職面接、住宅見学などを目的に現地を訪れる人へ、交通費や宿泊費の一部を補助する自治体があります。

対象となる訪問目的や申請の順番が決められている場合があるため、予約前の確認が必要です。

  • 訪問前の相談・申請が必要か
  • 航空券や新幹線の料金が対象か
  • レンタカーやガソリン代が対象か
  • 宿泊施設の指定があるか
  • 領収書や活動報告書が必要か
  • 同じ人が何回まで利用できるか

自分で航空券や宿泊施設を予約した後では申請できない場合があります。現地へ行く日程を決める前に自治体へ相談しましょう。

オンライン移住相談

遠方へ何度も訪問する費用を抑えたい場合は、自治体のオンライン移住相談を利用できます。

オンライン相談では、次のような情報を確認できます。

  • 移住支援制度の対象条件
  • 地域の求人や働き方
  • 賃貸住宅や空き家バンク
  • 保育園や学校
  • 車や公共交通機関
  • 現地訪問時に見るべき場所

先にオンラインで質問を整理してから現地へ行けば、限られた滞在時間を内見や仕事探しに使いやすくなります。

観光目的では利用できない場合がある

お試し住宅や交通費補助は、移住を具体的に検討する人を支援する制度です。

観光、レジャー、帰省、友人訪問だけを目的とする場合は、利用できない可能性があります。

移住相談、仕事探し、物件見学、地域交流など、滞在中に必要な活動が指定されていることもあります。

お試し移住制度を利用するときは、滞在料金だけでなく、参加が必要な相談・見学・交流活動も確認してください。

私が大阪から宮崎へ移住して約90万円の支援を受けた流れ

私は2022年10月に、大阪から宮崎県宮崎市へ移住しました。

移住後には、当時利用できた宮崎市の支援制度へ申請し、約90万円を受け取っています。

ただし、現在も同じ制度名・条件・支給額で実施されているとは限りません。

ここでは、支援金を受け取るまでに時間がかかった実体験として紹介します。

移住前に利用できる制度を確認した

大阪から宮崎への移住を準備する中で、移住後に利用できる支援制度があることを確認しました。

ただし、支援金がすぐに振り込まれるとは考えず、賃貸契約や引っ越しに必要な費用は、自分で用意する前提で進めています。

制度を確認するときは、支給額だけでなく、次の点を見る必要があります。

  • 移住元の地域が対象か
  • 移住後の仕事が条件を満たすか
  • 転入前に必要な手続きがあるか
  • 申請できる時期
  • 必要書類
  • 受給後の居住条件

宮崎市へ移住した後に申請した

私は2022年10月に宮崎市へ転入し、2023年1月ごろに支援制度の申請を行いました。

移住と同時に支援金を受け取れたわけではなく、転入後に申請の準備を進めています。

制度によっては、住民票、就業に関する書類、賃貸借契約書、本人確認書類などの提出を求められることがあります。

必要書類は制度ごとに異なるため、自治体から案内された内容を確認して準備しましょう。

申請から振り込みまで約2か月かかった

私の場合は、申請してから支援金が振り込まれるまで約2か月かかりました。

2022年10月に移住してから考えると、実際に受け取るまでには4〜5か月ほどかかったことになります。

申請内容の確認や審査があるため、申請後すぐに受け取れるとは限りません。

ローカリアン
ローカリアン

約90万円は大きな支援でしたが、移住前や引っ越し直後に使えるお金ではありませんでした。振り込まれるまでは、自分の収入と手元資金で生活しています。

引っ越しと賃貸契約には自分の資金を使った

宮崎へ移住するときは、引っ越し、賃貸住宅の契約、家具・家電などにまとまった費用がかかりました。

これらは支援金を受け取る前に支払う必要があったため、自分で用意した資金を使っています。

私の場合、引っ越しや賃貸契約などの初期費用は、おおよそ40万〜50万円でした。

さらに、支援金を受け取るまでの家賃、食費、光熱費、車、通信費なども必要です。

移住に必要な貯金については、「地方移住に必要な貯金はいくら?」でも詳しく解説しています。

支援金を受け取る前提で移住しない方がよいと感じた

結果として支援を受けられましたが、申請すれば必ず支給されるとは限りません。

書類の不足、条件の見落とし、予算の終了などにより、想定していた支援を受けられない可能性もあります。

また、審査や振り込みに時間がかかれば、移住直後の支払いには間に合いません。

支援金は移住後の生活を助けてくれるものですが、移住資金そのものとして当てにしすぎないことが大切です。
支援がなくても引っ越しと数か月の生活を続けられる資金を準備しましょう。

移住支援制度を利用するときの注意点

移住支援制度は、引っ越しや住宅取得の負担を減らせる一方、申請の順番や期限を間違えると利用できない場合があります。

制度を見つけたら、支給額だけでなく、対象条件、申請時期、必要書類、受給後の義務まで確認しましょう。

移住する前に自治体へ相談する

支援制度を利用したい場合は、住民票を移す前に、移住候補地の自治体へ相談しましょう。

制度によっては、転入前の事前相談や登録を申請条件としていることがあります。

移住後に問い合わせても、すでに申請時期を過ぎていたり、必要な手続きを行っていなかったりして、対象外になる可能性があります。

相談するときは、次の情報を伝えると確認が進みやすくなります。

  • 現在住んでいる市区町村
  • 移住を予定している時期
  • 単身か家族世帯か
  • 移住後の仕事や働き方
  • 賃貸・購入・空き家のどれを検討しているか
  • 子どもの年齢や人数

転入届を提出した後では利用できない制度もあります。移住日を決める前に、自治体の移住相談窓口へ確認しましょう。

契約・購入・工事前の申請が必要な場合がある

住宅購入、空き家改修、引っ越し、現地訪問などの支援では、契約や支払いを行う前の申請が必要な場合があります。

たとえば、次の手続きを先に進めると、補助対象外になる可能性があります。

  • 住宅の売買契約を結ぶ
  • 賃貸借契約を結ぶ
  • リフォーム工事を開始する
  • 家具や設備を購入する
  • 引っ越し業者へ正式に依頼する
  • 航空券や宿泊施設を予約する

交付決定前に支払った費用が対象になるかどうかは、制度ごとに異なります。

補助金を利用したい工事や契約は、自治体から申請時期を確認してから進めてください。

予算上限に達すると受付が終了することがある

支援制度には、年度ごとの予算が設定されている場合があります。

申請期限内であっても、予算の上限に達すると受付を終了する可能性があります。

特に、住宅購入や空き家改修など補助額の大きい制度は、早い時期に受付が終了することも考えられます。

新年度の制度が公開されたら、次の点を確認しましょう。

  • 受付開始日
  • 申請期限
  • 先着順か審査制か
  • 申請前の予約や事前相談が必要か
  • 予算が終了した場合の案内方法

申請すれば必ず受給できるわけではない

支援制度は、申請書を提出すれば必ず受給できるものではありません。

自治体による書類確認や審査があり、条件を満たしていない場合や必要書類が不足している場合は、支給されない可能性があります。

また、対象者であっても、次のような理由で申請が進まないことがあります。

  • 申請期限を過ぎている
  • 対象期間外に契約や支払いをしている
  • 領収書や契約書を保管していない
  • 移住元や移住先の要件を満たしていない
  • 対象求人や事業の条件を満たしていない
  • 税金などの滞納がある

支援金が受け取れなかった場合も生活できるように、引っ越し費用と移住後の生活費は自分で用意しておきましょう。

居住・就業期間を満たさないと返還を求められる場合がある

移住支援制度には、受給後も一定期間、移住先へ住み続けることや、対象となった仕事を継続することが条件として設定される場合があります。

条件を満たす前に転出や退職をすると、受け取った支援金の全額または一部の返還を求められる可能性があります。

申請前には、次の項目も確認してください。

  • 最低限必要な居住年数
  • 対象となった仕事の継続期間
  • 市外・県外へ転出した場合の扱い
  • 住宅を売却・賃貸した場合の扱い
  • 返還が免除される事情
  • 返還額が全額か一部か

受け取る条件だけでなく、転出・退職・住宅売却をした場合の返還条件まで読んでから申請しましょう。

複数の補助金を併用できないことがある

移住支援金、住宅購入補助、空き家改修補助など、複数の制度に該当することがあります。

ただし、同じ工事費や購入費に対して、複数の補助金を重ねて利用できない場合があります。

たとえば、空き家改修に国・都道府県・市町村の制度がある場合でも、同じ費用をそれぞれへ申請できるとは限りません。

複数の制度を利用したい場合は、次の点を自治体へ確認しましょう。

  • 制度同士の併用が可能か
  • 補助対象となる費用を分けられるか
  • どの制度を先に申請するか
  • 自己負担額はいくら必要か
  • ほかの補助金を利用したことの申告が必要か

移住先の支援制度を調べる方法

移住支援制度は全国共通ではなく、自治体ごとに内容が異なります。

検索サイトだけで判断せず、最終的には移住先となる自治体の当年度の募集要項を確認しましょう。

市区町村の移住・定住サイトを確認する

最初に確認したいのは、移住候補となる市区町村の公式サイトです。

公式サイト内では、次の言葉で検索すると制度を見つけやすくなります。

  • 移住支援
  • 定住支援
  • 住宅取得補助
  • 家賃補助
  • 空き家改修
  • 子育て支援
  • 起業・就農支援

移住専用ページだけでなく、住宅、商工、農政、子育てなど、複数の担当部署に制度が分かれていることもあります。

都道府県の移住ポータルサイトを確認する

都道府県の移住ポータルサイトでは、市町村ごとの支援制度、求人、相談窓口、移住イベントなどがまとめられている場合があります。

まだ移住する市町村を決めていない場合は、同じ都道府県内の制度を比較する際に役立ちます。

ただし、ポータルサイトの紹介文が最新年度の募集要項と一致しているとは限りません。

気になる制度が見つかったら、市町村の公式ページまで確認してください。

自治体の移住相談窓口へ問い合わせる

制度の説明を読んでも、自分が対象になるか判断できないことがあります。

その場合は、電話やメール、オンライン相談で自治体へ問い合わせましょう。

問い合わせる際は、制度名だけでなく、自分の状況を具体的に伝えることが重要です。

  • 現在の住所と居住期間
  • 転入予定日
  • 移住後の仕事
  • 家族構成
  • 住宅の購入・賃借予定
  • すでに契約や支払いをしているか

問い合わせた日、担当部署、回答内容をメモしておくと、後から申請条件を確認しやすくなります。

空き家バンクと住宅支援を一緒に調べる

空き家の購入や賃借を考えている場合は、物件情報と住宅支援を別々に調べないようにしましょう。

自治体によっては、空き家バンクの登録物件を利用することが、改修費や家財処分費の補助条件になっています。

候補物件を見つけたら、次の順番で確認します。

  1. 空き家バンクの登録物件か確認する
  2. 購入・賃借のどちらが補助対象か確認する
  3. 改修・家財処分・引っ越しの補助を確認する
  4. 契約前申請が必要か確認する
  5. 建物調査と修繕見積もりを取る

価格が安い物件でも、補助対象外の工事や大規模な修繕が必要になれば、自己負担が大きくなります。

制度の対象年度と申請期限を確認する

自治体のサイトには、前年度の制度ページや募集要項が残っていることがあります。

検索結果で見つけたページをそのまま信じず、対象年度を確認してください。

  • 今年度の制度か
  • 受付開始前ではないか
  • 申請期限を過ぎていないか
  • 制度が継続予定か
  • 予算が残っているか
  • 翌年度も同じ条件で実施されるか

前年度の制度を見て移住計画を立てても、翌年度に廃止・減額・条件変更される可能性があります。移住する年度の募集要項を確認しましょう。

支援制度だけで移住先を決めない

支援制度が充実している自治体は魅力的ですが、受け取れる金額だけで移住先を決めるのはおすすめできません。

支援金は一度だけ支給されることが多く、移住後の家賃、食費、車、光熱費などは継続して支払う必要があります。

一時的な支援金より毎月の収支が重要

仮に100万円の支援を受けられても、移住後の生活費が毎月5万円増えれば、単純計算では20か月ほどで支援額を上回ります。

支援金の金額だけでなく、移住後に毎月必要になる支出を計算しましょう。

  • 家賃・住宅ローン
  • 車のローン・保険・ガソリン
  • 食費
  • 水道光熱費
  • 通信費
  • 子育て・教育費
  • 帰省費

地方移住後の生活費については、「地方移住で生活費は本当に安くなる?」でも解説しています。

仕事と収入を先に確認する

移住支援金を受け取れても、移住後の仕事が安定しなければ、長く暮らし続けることは難しくなります。

現在の仕事を続けるのか、現地企業へ転職するのか、起業・就農するのかを先に整理しましょう。

求人を調べるときは、月給だけでなく、手取り、賞与、通勤費、車の必要性、住宅手当なども確認してください。

移住先の仕事を探す方法は、「地方移住に向いている仕事12選」で紹介しています。

車・家賃・光熱費を含めて生活費を計算する

地方では家賃が下がっても、車の購入・維持費が増えることがあります。

また、住宅の広さ、気候、ガスの種類によっては、光熱費が都市部より高くなる可能性もあります。

候補地ごとに、次の費用を比較しましょう。

項目確認する内容
住居費家賃、管理費、駐車場、更新費用
購入費、保険、税金、車検、ガソリン
光熱費冷暖房、都市ガス・プロパンガス、灯油
交通費通勤、買い物、通院、帰省
通信費固定回線、スマートフォン、回線工事

支援が終了した後も暮らせるか考える

家賃補助や奨励金には、利用できる期間が決められていることがあります。

補助期間が終了すると、家賃や教育費などを全額自分で負担しなければなりません。

支援中の負担額ではなく、支援終了後の金額で家計を確認しましょう。

支援制度は移住を始める助けになりますが、移住後の生活を支え続けるものではありません。支援がなくなった後も、仕事と収入で暮らせる地域を選びましょう。

地方移住の支援制度を確認するチェックリスト

移住日や住宅契約を決める前に、次の項目を確認してください。

  • 移住元の地域が対象条件を満たしている
  • 移住先の自治体が制度を実施している
  • 移住後の仕事が制度の条件を満たしている
  • 対象年度と申請期限を確認した
  • 転入前の相談・申請が必要か確認した
  • 住宅契約・工事・購入前に申請が必要か確認した
  • 必要書類を一覧にした
  • 領収書や契約書を保管している
  • ほかの補助金と併用できるか確認した
  • 受給後に必要な居住・就業期間を確認した
  • 転出・退職・売却時の返還条件を確認した
  • 振り込みまでの期間を確認した
  • 支援金がなくても移住できる資金を用意した
  • 支援終了後の生活費を計算した

制度名や金額だけをメモするのではなく、「いつまでに・何をする必要があるか」を時系列で整理すると申請漏れを防ぎやすくなります。

まとめ|地方移住の支援制度は移住前の確認が重要

地方移住では、国の地方創生移住支援金だけでなく、自治体独自の移住・住宅・仕事・起業・子育て支援を利用できる場合があります。

一方で、地方へ引っ越せば誰でも支援を受けられるわけではありません。

制度ごとに、次のような条件があります。

  • 移住前に住んでいた地域
  • 移住先の市町村
  • 年齢や世帯構成
  • 移住後の仕事
  • 住宅の契約・工事時期
  • 申請期限
  • 受給後の居住・就業期間

私は2022年10月に大阪から宮崎市へ移住し、移住後に約90万円の支援を受けました。

しかし、2023年1月ごろに申請してから、振り込まれるまでに約2か月かかっています。

移住から受給までは4〜5か月ほどかかったため、賃貸契約や引っ越し費用は、自分の資金で先に支払いました。

支援制度を利用する際は、次の順番で準備しましょう。

  1. 移住候補地の当年度の制度を確認する
  2. 移住前に自治体へ相談する
  3. 転入・契約・工事より前に必要な申請を行う
  4. 領収書や契約書を保管する
  5. 受給後の居住・就業条件を守る
  6. 支援終了後も生活できる収支を確認する

支援金は、引っ越し当日に受け取れるお金ではありません。申請できない場合や振り込みが遅れる場合も考え、支援がなくても移住できる資金を準備してください。

地方移住の支援制度は、移住後に探すのではなく、仕事・住まい・引っ越しの日程を決める前に確認することが最も重要です。

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