地方での暮らしに興味があっても、現在の仕事や住まいをすぐに手放して移住することに、不安を感じる方は多いでしょう。
そのような方が検討できる暮らし方の一つが、都市部と地方など、二つの地域に生活拠点を持つ二拠点生活です。
平日は都市部で働き、週末は地方で過ごす方法もあれば、月の半分ずつを異なる地域で生活する方法もあります。
二拠点生活なら、現在の仕事や都市部の住まいをすぐに手放さず、実際に生活しながら移住候補地との相性を確認できます。
一方で、家賃、水道光熱費、通信費、交通費などが二か所分必要になるため、完全移住より費用を抑えられるとは限りません。
| 確認すること | 主なポイント |
|---|---|
| 目的 | 移住前のお試しか、趣味・仕事・家族のためか |
| 費用 | 住居費、光熱費、通信費、交通費を合計する |
| 仕事 | 勤務場所や出社頻度に問題がないか確認する |
| 住まい | 賃貸、お試し住宅、短期滞在施設を比較する |
| 移動 | 距離、所要時間、車や公共交通機関を確認する |

私は正式な二拠点生活ではありませんでしたが、
大阪に住みながら宮崎へ繰り返し滞在し、地域の雰囲気や生活環境を確認してから、2022年に宮崎市へ完全移住しました。
何度も現地へ通ったことで、旅行だけでは分からない地域との相性を確認できた一方、
交通費や宿泊費がかかり、移住資金が減っていく不安も感じました。
この記事では、二拠点生活と地方移住の違い、必要になる費用、メリット・デメリット、仕事と住まいを両立する方法を解説します。
二拠点生活とは?
二拠点生活とは、都市部と地方など、二つの地域に生活の拠点を持ち、行き来しながら暮らす方法です。
必ずしも二つの住宅を購入する必要はありません。
現在の自宅を維持しながら、地方で賃貸住宅やマンスリーマンションを借りる方法もあれば、自治体のお試し住宅や宿泊施設を定期的に利用する方法もあります。
二つの地域で過ごす割合にも決まりはなく、生活スタイルによってさまざまです。
- 平日は都市部で働き、週末は地方で過ごす
- 月の半分ずつを二つの地域で暮らす
- 春から秋だけ地方で生活する
- リモート勤務をしながら、必要なときだけ都市部へ戻る
- 親の介護や実家の管理のため、定期的に地元へ通う
完全移住に踏み切る前の準備として始める人もいれば、仕事や家族、趣味の都合に合わせて長期間続ける人もいます。
二つの地域に生活拠点を持つ暮らし方
二拠点生活と旅行の大きな違いは、訪問先で観光するだけではなく、もう一つの生活拠点として継続的に滞在することです。
地方の拠点では、観光地を巡るだけでなく、買い物、仕事、家事、通院など、日常生活を送ります。
定期的に同じ地域へ通うことで、短い旅行では分かりにくい次のような点も確認できます。
- 平日と休日の交通量
- スーパーや病院の使いやすさ
- 夏や冬の気候
- 地域住民との付き合い方
- インターネットや携帯電話の通信環境
- 実際に必要になる生活費
地方移住を考えているものの、今の仕事や自宅をすぐに手放すことが不安な場合は、二拠点生活で一定期間暮らしてから判断する方法があります。
二地域居住・多拠点生活との違い
二拠点生活と似た言葉に、二地域居住や多拠点生活があります。
| 言葉 | 主な意味 |
|---|---|
| 二拠点生活 | 二つの場所を行き来しながら生活する一般的な呼び方 |
| 二地域居住 | 二つの地域に生活や活動の拠点を持つ暮らし方として、公的機関などでも使われる表現 |
| 多拠点生活 | 三か所以上を含む複数の地域で暮らす方法 |
日常的な会話やインターネット検索では「二拠点生活」という言葉が使われることが多く、公的な制度や資料では「二地域居住」と表現されることがあります。
厳密な定義だけにこだわるより、どの地域にどれくらい滞在し、どのような目的で行き来するのかを整理することが大切です。
この記事では、一般的に分かりやすい「二拠点生活」を中心に使い、公的な制度や取り組みに触れる場合は「二地域居住」と表記します。
完全な地方移住との違い
完全移住では、これまで住んでいた地域を離れ、地方へ生活の中心を移します。
一方、二拠点生活では、現在の住まいや仕事を残したまま、地方にも滞在先を確保します。
| 比較項目 | 二拠点生活 | 完全移住 |
|---|---|---|
| 住まい | 二つの地域に確保する | 移住先を生活の中心にする |
| 仕事 | 現在の仕事を続けやすい | 転職や勤務条件の変更が必要な場合がある |
| 費用 | 住居費や移動費が重なりやすい | 引っ越し時にまとまった費用がかかる |
| 地域との相性 | 生活しながら確認できる | 移住後に問題が分かることがある |
| 元の地域へ戻る | 戻りやすい | 住まいを手放すと戻りにくい |
二拠点生活は、現在の暮らしを残せるため、完全移住より失敗した際に戻りやすい方法です。
ただし、二つの住まいを維持する費用や移動の負担があるため、完全移住より気軽で安いとは限りません。
二拠点生活が注目されている理由
二拠点生活は、完全移住と旅行の中間にある暮らし方として検討されています。
仕事や家族の事情ですぐに転居できない人でも、現在の生活を維持しながら地方との関わりを作れる点が特徴です。
リモートワークで住む場所を選びやすくなった
パソコンとインターネット環境があれば、自宅以外でも進められる仕事があります。
会社が認める範囲でリモート勤務ができれば、地方の拠点から仕事を続けることも可能です。
たとえば、地方で数日間働き、その後、会議や出社に合わせて都市部へ戻る働き方が考えられます。
ただし、在宅勤務が認められていることと、自由な場所から働けることは同じではありません。
- 勤務できる都道府県
- 自宅以外での勤務が認められているか
- 出社する頻度
- 交通費や宿泊費の負担
- 情報管理やセキュリティーのルール
二拠点生活を始める前に、勤務先の就業規則や上司への申請が必要か確認しましょう。
地方でリモート勤務をする際の注意点は、「リモートワークで地方移住する方法」でも解説しています。
完全移住する前に地方暮らしを試せる
旅行で訪れたときに気に入った地域でも、実際に生活すると印象が変わることがあります。
観光では気にならなかった不便も、毎日の生活では負担になるかもしれません。
- 買い物に車が必要だった
- 病院や行政窓口まで遠かった
- 冬の寒さや積雪が想像以上だった
- 希望するインターネット回線を利用できなかった
- 地域内に希望する仕事が少なかった
- 夜間の騒音や周辺環境が気になった
二拠点生活で季節や曜日を変えながら滞在すれば、地域を生活者の視点で確認できます。
完全移住を迷っている場合は、住まいや仕事をすぐに手放さず、短期滞在から地域との相性を確認する方法があります。
仕事や家族との関係を維持しやすい
完全移住すると、現在の勤務先への通勤、家族との距離、親の介護などに影響が出ることがあります。
二拠点生活であれば、都市部の生活基盤を残しながら、地方で過ごす時間を増やせます。
- 現在の会社へ出社する日だけ都市部へ戻る
- 子どもの学校を変えずに週末だけ地方で過ごす
- 離れて暮らす親の様子を定期的に確認する
- 実家や空き家の管理をしながら都市部で働く
現在の生活を大きく変えずに地方との関係を作れることが、二拠点生活の特徴です。
二拠点生活にはいくらかかる?
二拠点生活に必要な費用は、拠点間の距離、滞在頻度、住まいの種類、車の有無によって大きく変わります。
地方の家賃が安くても、現在の住まいを残す場合は、住居費を二か所分支払わなければなりません。
最初に、次の費用を一覧にして計算しましょう。
| 費用 | 主な内容 |
|---|---|
| 住居費 | 家賃、管理費、共益費、駐車場 |
| 初期費用 | 敷金、礼金、仲介手数料、保証料 |
| 水道光熱費 | 電気、ガス、水道の使用料と基本料金 |
| 通信費 | インターネット回線、スマートフォン |
| 移動費 | 新幹線、飛行機、高速道路、ガソリン |
| 車関連費 | レンタカー、駐車場、保険、車両維持費 |
| 生活用品 | 家具、家電、寝具、調理器具 |
| 管理費用 | 清掃、防犯、郵便物や荷物の転送 |
費用を考えるときは、一度だけ支払う初期費用と、毎月または移動のたびに発生する費用を分けてください。
二か所分の住居費
二拠点生活で負担が大きくなりやすいのが住居費です。
現在の住宅を維持したまま地方で賃貸住宅を借りれば、家賃や住宅ローンに加えて、次の費用が発生します。
- 地方の物件の家賃
- 管理費や共益費
- 駐車場代
- 契約時の敷金や礼金
- 仲介手数料や保証会社の費用
- 更新料や火災保険
毎月数日しか滞在しない場合は、一般の賃貸住宅より、マンスリーマンションや宿泊施設の方が総額を抑えられることもあります。
家賃の安さだけで決めず、年間の滞在日数から一日当たりの住居費を考えましょう。
水道光熱費と通信費の基本料金
地方の住まいを使用しない期間でも、電気、ガス、水道、インターネット回線の基本料金がかかる場合があります。
使用量が少なくても、費用が完全にゼロになるとは限りません。
特にリモート勤務をする場合は、安定した固定回線が必要になる可能性があります。
- 建物で利用できる回線
- 開通工事にかかる費用
- 最低利用期間や解約金
- 使用しない期間も料金がかかるか
短期滞在が中心なら、インターネット付き物件やモバイル回線を利用する方法も比較しましょう。
都市と地方を往復する交通費
拠点間の距離が長いほど、交通費と移動時間の負担が大きくなります。
一回の移動費だけでなく、毎月何回往復するかを含めて計算してください。
- 飛行機や新幹線の運賃
- 駅や空港までの交通費
- 自家用車のガソリン代
- 高速道路料金
- 都市部での駐車料金
- 繁忙期の運賃上昇
交通費を抑えるために移動回数を減らすと、一回の滞在期間が長くなります。
反対に、短い滞在を頻繁に繰り返すと、地方の家賃より交通費の方が大きくなることもあります。
家具・家電・生活用品の購入費
二つの住まいで生活するためには、家具や家電をそれぞれ用意する必要があります。
- 寝具
- 冷蔵庫や電子レンジ
- 洗濯機
- 机や椅子
- 調理器具や食器
- 衣類や日用品
毎回荷物を持ち運ぶ手間を減らすには、最低限の生活用品を二か所に置く必要があります。
最初からすべてを新品でそろえず、家具付き物件、中古品、レンタルサービスも比較しましょう。
車やレンタカーにかかる費用
地方の拠点では、買い物や通院に車が必要になることがあります。
二拠点目のために車を購入すると、利用しない期間があっても税金や保険、駐車場代が発生します。
- 車両の購入費やローン
- 自動車保険
- 自動車税
- 車検や整備費
- 駐車場代
- ガソリン代
滞在日数が少ない場合は、レンタカー、カーシェア、自転車、公共交通機関の方が負担を抑えられる可能性があります。
二拠点生活は、地方の家賃だけを見ると始めやすく感じます。しかし、現在の住まい、交通費、光熱費、通信費、車まで合計すると、完全移住より支出が増える場合があります。
二拠点生活のメリット
二拠点生活の大きなメリットは、現在の暮らしをすぐに手放さず、地方での生活を試せることです。
完全移住とは異なり、地方での暮らしが自分に合わなかった場合も、元の生活へ戻りやすい特徴があります。
現在の仕事や住まいをすぐに手放さずに済む
地方へ完全移住する場合は、現在の家を解約・売却したり、勤務先を変えたりする必要が出てくることがあります。
二拠点生活であれば、都市部の住まいを残しながら、地方で過ごす期間を少しずつ増やせます。
- 現在の会社への出社を続ける
- 家族の通勤や通学環境を維持する
- 都市部の病院や生活サービスを引き続き利用する
- 地方暮らしが合わない場合に元の家へ戻る
特に、転職や住宅購入まで同時に決断することへ不安がある方にとっては、生活の変化を小さく分けて進められる方法です。
二拠点生活では、仕事、家、家族の環境を一度に変えず、地方で暮らす時間だけを先に増やせます。
季節や目的に合わせて暮らす場所を変えられる
二拠点生活では、季節や目的に応じて滞在する地域を選べます。
- 夏は涼しい地域で過ごす
- 冬は雪の少ない地域へ移る
- サーフィンや登山などの趣味に合わせて滞在する
- 農作業や地域行事の時期だけ地方で暮らす
- 仕事が忙しい時期は都市部、落ち着いた時期は地方で働く
ただし、繁忙期や観光シーズンは交通費や宿泊費が高くなる場合があります。
理想の過ごし方だけでなく、年間の移動回数と費用も含めて計画しましょう。
移住先との相性を生活者の視点で確認できる
旅行では、天候のよい日や観光しやすい場所を中心に見ることが多くなります。
一方、二拠点生活では、仕事、買い物、洗濯、ゴミ出し、通院などの日常生活を経験できます。
繰り返し滞在すれば、次のような点を確認しやすくなります。
- 平日の交通量や通勤事情
- スーパーの品ぞろえや価格
- 雨や台風、雪が続いたときの暮らし
- 夜間の騒音や周辺の明るさ
- 地域での人付き合い
- リモート勤務に必要な通信環境
完全移住後に初めて問題へ気づくより、二拠点生活の段階で確認できれば、住む地域や物件を見直しやすくなります。
地方で人間関係や仕事のつながりを作れる
同じ地域へ定期的に通うことで、店の人や地域住民と顔を合わせる機会が増えます。
一度の旅行だけでは作りにくい関係も、滞在を重ねることで少しずつ築ける可能性があります。
- 趣味の仲間を見つける
- 地域の店を定期的に利用する
- 移住相談会や交流会へ参加する
- 地域企業や事業者と知り合う
- 将来の仕事や住まいについて相談する
完全移住する前に知り合いが増えていれば、移住後の孤独や不安を減らしやすくなります。
二拠点生活のデメリットと注意点
二拠点生活は、地方との相性を確認しやすい一方、二つの生活を同時に維持する負担があります。
始める前に、費用だけでなく、移動時間や住まいの管理まで含めて続けられるか考えましょう。
住居費や移動費が二重にかかる
現在の家を維持したまま地方にも住まいを持つと、住居に関する支出が増えます。
地方の家賃が安くても、都市部の家賃や住宅ローンがなくなるわけではありません。
さらに、拠点間を往復するたびに交通費が必要です。
たとえば、一回の往復に2万円かかり、毎月2回移動すれば、交通費だけで月4万円になります。
家賃、光熱費、通信費、交通費を合計し、毎月の収入から無理なく支払えるか確認してください。
二拠点目の家賃だけを見て「安く始められる」と判断すると、交通費や基本料金を含めた実際の支出が予算を超える可能性があります。
掃除・郵便物・防犯などの管理が増える
二つの住まいを持つと、家事や管理も二か所分必要になります。
- 掃除や換気
- 冷蔵庫内の食品管理
- ゴミ出し
- 郵便物や宅配便の受け取り
- 庭や敷地の手入れ
- 水漏れや設備故障の確認
- 長期間不在にする際の防犯対策
地方の住まいが戸建ての場合は、草刈り、落ち葉、害虫、台風対策なども必要になる可能性があります。
滞在していない期間の管理を誰が行うのか、事前に決めておきましょう。
移動時間が負担になる
二拠点生活を続けるには、定期的に荷物をまとめ、拠点間を移動する必要があります。
最初は旅行のように楽しめても、回数が増えると負担を感じることがあります。
- 早朝や深夜の移動が続く
- 交通機関の遅延や欠航に影響される
- 移動後すぐに仕事をしなければならない
- 荷物の忘れ物が発生する
- 移動だけで休日が終わる
費用だけでなく、片道にかかる時間と、移動後の疲労も考慮しましょう。
どちらの地域でも人間関係が浅くなることがある
二つの地域を行き来すると、それぞれの場所で過ごす時間が短くなります。
都市部では以前より友人や同僚と会う機会が減り、地方では滞在期間が短く、地域との関係を深めにくい場合があります。
本人は二つの地域に居場所があると感じていても、周囲からは「いついるのか分からない人」と見られる可能性もあります。
滞在日数を増やすだけでなく、地域の店や活動へ継続的に参加し、顔を合わせる機会を作ることが大切です。
災害や空き巣への備えが必要になる
長期間留守にする住まいでは、災害や防犯への備えが必要です。
- 台風や大雨の前に窓や屋外設備を確認する
- 冬季の凍結や積雪に備える
- 郵便物をためない
- 照明や防犯カメラを活用する
- 近隣や管理会社に連絡先を伝える
- 火災保険や家財保険の補償内容を確認する
災害が起きたときにすぐ現地へ行けない可能性もあるため、管理会社や近隣の協力を得られる住まいの方が安心です。
二拠点生活に向いている人
二拠点生活は、地方に関心があるすべての人に適しているとは限りません。
費用、仕事、移動、目的の四つを無理なく両立できるかが判断のポイントです。
場所に縛られにくい仕事をしている人
リモート勤務やフリーランスなど、働く場所を調整しやすい人は、地方での滞在日数を確保しやすくなります。
ただし、リモート勤務でも、会社が自宅以外からの勤務を認めているとは限りません。
勤務場所、出社頻度、通信環境、情報管理の条件を確認してください。
フルリモート勤務の実態は、「フルリモートはやめとけと言われる理由」でも紹介しています。
完全移住する前に地域を試したい人
地方へ住みたい気持ちはあっても、仕事や家をすぐに手放すことへ不安がある人には、二拠点生活が合う場合があります。
実際に生活しながら、次の点を確認できます。
- 気候が合うか
- 生活費を支払えるか
- 仕事を続けられるか
- 地域で人間関係を作れるか
- 家族が地方暮らしを受け入れられるか
一定期間暮らしたうえで、完全移住する、二拠点生活を続ける、元の暮らしへ戻るという判断ができます。
趣味や家族の事情で定期的に地方へ通う人
趣味や家族の事情により、すでに特定の地方へ定期的に通っている人も、二拠点生活を検討できます。
- サーフィンや登山を楽しむ
- 親の介護や実家の管理を行う
- 農業や地域活動へ参加する
- 将来の移住先で仕事のつながりを作る
ホテルへ泊まり続けるより、継続的に利用できる住まいを確保した方が、生活しやすくなる場合があります。
二か所分の費用を無理なく支払える人
二拠点生活を続けるには、家賃や交通費を支払っても、生活や貯金に影響が出すぎない収入が必要です。
毎月の収支だけでなく、家具の購入、車の故障、更新費用などの臨時支出も考えましょう。
二拠点生活に向いているのは、目的が明確で、仕事と移動を調整でき、二つの生活を維持しても家計に無理がない人です。
二拠点生活に向いていない人
生活費にほとんど余裕がない人
現在の生活費を支払うだけで貯金がほとんど残らない場合は、二拠点目を持つことで家計が苦しくなる可能性があります。
地方の家賃が安くても、交通費や基本料金を含めれば、毎月の負担は増えます。
まずは宿泊施設を使った短期滞在から始め、年間でいくらかかるか確認する方が安全です。
頻繁な移動が苦手な人
長時間の運転や電車、飛行機での移動が負担になる人は、二拠点生活を続けにくい場合があります。
移動距離だけでなく、荷造り、予約、天候による変更まで含めて考えましょう。
二つの住まいを管理する時間がない人
仕事や育児で忙しく、現在の家の管理だけでも負担が大きい場合は、二拠点目の掃除や手続きまで対応できない可能性があります。
管理会社のある賃貸住宅やホテルを利用し、自分で管理する範囲を減らす方法も検討してください。
移住先での目的が決まっていない人
「何となく地方で暮らしたい」という状態で住まいを借りると、滞在する理由がなくなり、ほとんど利用しない可能性があります。
仕事、趣味、家族、完全移住の準備など、地方へ通う目的を明確にしましょう。
目的がまだ定まっていない場合は、賃貸契約を急がず、短期滞在や旅行を繰り返して地域を比較する方法があります。
二拠点生活で利用する住まいの選択肢
二拠点目の住まいは、滞在日数、予算、家具の必要性、管理の手間に合わせて選びます。
| 住まい | 向いている利用方法 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 一般賃貸 | 毎月長期間滞在する | 初期費用や契約期間がある |
| マンスリーマンション | 数週間〜数か月試す | 日割りでは割高になることがある |
| お試し住宅 | 完全移住前に地域を確認する | 利用目的や期間に条件がある |
| ホテル・ゲストハウス | 月に数日だけ滞在する | 長期利用では費用が高くなりやすい |
| 多拠点居住サービス | 複数地域を試す | 予約や利用日数に制限がある |
| 空き家・中古住宅 | 長期滞在や将来の定住 | 修繕・管理・税金が必要 |
一般の賃貸住宅
毎月まとまった期間を地方で過ごす場合は、一般の賃貸住宅を借りる方法があります。
家具や日用品を置いておけるため、滞在するたびに大きな荷物を運ぶ必要がありません。
一方で、敷金、礼金、仲介手数料、保証料などの初期費用がかかります。
短期間で解約すると違約金が発生する物件もあるため、契約条件を確認しましょう。
マンスリーマンション
家具・家電付きのマンスリーマンションは、数週間から数か月だけ地方で暮らしたい場合に利用しやすい住まいです。
一般賃貸より契約手続きが簡単で、電気や水道が料金に含まれている場合もあります。
ただし、一日当たりの料金は一般賃貸より高くなることがあります。
滞在日数と総額を比較して判断してください。
自治体のお試し住宅
自治体によっては、移住を検討している人が一定期間滞在できるお試し住宅を用意しています。
比較的低い料金で利用できる場合があり、移住相談や仕事探し、物件探しと組み合わせやすい点が特徴です。
ただし、単なる観光目的では利用できない制度もあります。
- 利用できる対象者
- 最低・最長滞在日数
- 移住相談や地域活動への参加条件
- インターネット環境
- 車や交通手段
- 寝具や生活用品の有無
制度内容や募集状況は変更されるため、利用前に自治体の公式情報を確認してください。
ホテル・ゲストハウス
月に数日程度の滞在なら、ホテルやゲストハウスの方が住まいを借りるより負担を抑えられる場合があります。
掃除や設備管理を自分で行う必要がなく、利用しない期間の料金もかかりません。
一方、繁忙期には宿泊料金が上がり、希望日に予約できない可能性があります。
調理設備や仕事用の机、安定した通信回線があるかも確認しましょう。
定額制・多拠点居住サービス
複数地域の宿泊拠点を定額で利用できるサービスを使う方法もあります。
一つの地域へ決める前に、複数の候補地を比較したい人に向いています。
ただし、人気地域や週末は予約が取りにくいことがあり、利用日数や連泊数に制限が設けられている場合があります。
個室、共有スペース、仕事環境、同伴者の条件なども確認してください。
空き家や中古住宅
長期的に地方へ滞在し、将来的な完全移住も考えている場合は、空き家や中古住宅を購入する方法があります。
購入後は自由に利用しやすくなりますが、物件価格以外にも費用が必要です。
- 修繕やリフォーム費用
- 固定資産税
- 火災保険
- 庭や敷地の管理
- 水道・電気設備の修理
- 不在時の防犯対策
安い空き家でも、すぐに住める状態とは限りません。
完全移住するか決まっていない段階で住宅を購入すると、使わなくなった物件の維持や売却に悩む可能性があります。最初は短期滞在や賃貸から始める方が判断しやすくなります。
二拠点生活と仕事を両立する方法
二拠点生活を続けるには、住まいと移動費だけでなく、地方の拠点でも仕事を問題なく進められる環境が必要です。
特に会社員の場合は、リモート勤務ができることだけで判断せず、勤務場所や出社に関する会社のルールを確認しましょう。
現在の会社でリモート勤務を続ける
現在の仕事がリモート勤務に対応していれば、転職せずに二拠点生活を始められる可能性があります。
仕事内容や収入を維持できるため、地方で新しい仕事を探す場合よりも、生活の変化を抑えやすい方法です。
ただし、自宅での勤務が認められていても、別の都道府県や短期滞在先から自由に働けるとは限りません。
勤務先へ次の内容を確認してください。
- 自宅以外の場所から勤務できるか
- 勤務場所を会社へ申請する必要があるか
- 居住地や勤務地域に制限がないか
- 地方の拠点から出社してもよいか
- 情報管理やセキュリティーの条件
- 将来的に出社回数が増える可能性があるか
会社へ伝えずに勤務場所を変えると、就業規則や情報管理のルールに合わない可能性があります。
転職せずに地方で働く際の注意点は、「リモートワークで地方移住する方法」でも解説しています。
移動日と勤務日を分ける
長時間移動した直後に仕事を始める予定を組むと、遅延や疲労によって業務へ影響が出ることがあります。
可能であれば、拠点間を移動する日と、集中して仕事をする日を分けましょう。
- 休日の前日に移動する
- 有給休暇と移動日を組み合わせる
- 重要な会議がない日に移動する
- 飛行機や電車の遅延を想定して余裕を持たせる
- 地方で数日以上まとめて滞在する
毎週のように短期間だけ往復するより、一度の滞在期間を長くした方が、交通費と体力的な負担を抑えられる場合があります。
二つの住まいで通信環境を確保する
リモート勤務をする場合は、どちらの住まいでも安定したインターネット回線を利用できることが重要です。
地方の物件では、希望する光回線が提供エリア外だったり、開通工事まで時間がかかったりすることがあります。
住まいを決める前に、次の点を確認しましょう。
- 物件で利用できる固定回線
- 実際に見込める通信速度
- オンライン会議が途切れないか
- 工事の有無と開通までの日数
- スマートフォンの電波状況
- 通信障害時に使える代替回線
ホテルやお試し住宅を利用する場合も、「Wi-Fiあり」という表示だけでなく、仕事に使える速度と安定性があるか確認してください。

私が宮崎へ完全移住した物件では、大阪で利用していた光回線が提供エリア外でした。仕事にインターネットが欠かせないため、急いで別のケーブルテレビ回線を契約しています。
出社・出張・交通費の条件を確認する
原則リモートの会社でも、会議、研修、顧客訪問などで出社や出張が必要になることがあります。
地方の拠点から本社へ移動する場合は、交通費や宿泊費が高額になる可能性があります。
- 毎月の出社回数
- 急な出社要請があるか
- 交通費の支給上限
- 前泊・後泊が必要な場合の宿泊費
- 地方の拠点を勤務場所として登録できるか
- 出社方針が変更された場合の対応
会社が負担してくれると思い込まず、地方から出社する場合の扱いを事前に確認しましょう。
二拠点生活と仕事を両立するには、勤務場所、通信環境、出社頻度、交通費の四つを勤務先と共有しておくことが重要です。
二拠点生活の住民票・税金・行政手続きはどうなる?
二拠点生活を始めても、住民票や住民税が自動的に二つの地域へ分かれるわけではありません。
実際にどちらを生活の中心としているのかを整理し、住所変更の必要性や利用できる行政サービスを確認しましょう。
住民票や税金の扱いは、滞在日数だけでは判断できない場合があります。生活実態が複雑な場合は、自己判断だけで決めず、住民登録をしている市区町村と二拠点目の自治体へ確認してください。
住民票は生活の本拠となる住所で考える
住民登録上の住所は、単に郵便物を受け取りやすい場所ではなく、生活の中心となる場所を基準に考えます。
二拠点生活では、次のような生活実態を踏まえて、どちらが生活の本拠なのか整理する必要があります。
- 年間を通して過ごす日数
- 家族が生活している場所
- 勤務や通学の拠点
- 日常的に利用する住まい
- 生活用品や家財を置いている場所
- 継続的な生活関係がある地域
週末や一定期間だけ地方で過ごす場合は、現在の住所が生活の本拠となるケースが考えられます。
一方、地方で過ごす期間が長くなり、実際の生活の中心も移った場合は、住民票の異動が必要になる可能性があります。
住所の判断については、「大阪市が公表している住民基本台帳に関する説明」でも、生活の本拠としての実態を踏まえて判断すると示されています。
住民税は原則として1月1日の住所地が基準になる
個人住民税は、原則としてその年の1月1日に住所がある市区町村で課税されます。
年の途中で別の市区町村へ生活の中心を移しても、その年度の住民税は、原則として1月1日時点の住所地へ納めます。
二拠点目に住宅や事業所を所有している場合は、所有状況や利用方法によって別の税金や申告が関係する可能性もあります。
具体的な課税関係は、住民票のある自治体と、二拠点目の自治体の税務担当窓口へ確認してください。
個人住民税の基本的な仕組みは、「宮崎市の市民税・県民税の概要」でも確認できます。
郵便物や宅配便の受け取り方法を決める
二つの住まいを行き来すると、重要な郵便物をすぐに確認できないことがあります。
- 郵便物を受け取る住所を一つにまとめる
- 家族や管理人に確認を依頼する
- 郵便局の転居・転送サービスを利用する
- 宅配ボックスのある物件を選ぶ
- 請求書や通知をオンラインへ切り替える
- 宅配便の受取日時を滞在日に合わせる
日本郵便の転居・転送サービスは、転居届を出すことで、旧住所宛ての郵便物を一定期間、新住所へ転送する仕組みです。
ただし、「転送不要」と記載された郵便物など、転送されないものもあります。
利用方法や転送期間は、「日本郵便の転居・転送サービス」で確認してください。
自治体独自の支援制度は条件を確認する
自治体によっては、二地域居住者向けの住宅、交通、地域活動などを支援している場合があります。
ただし、制度によって対象者や利用条件が異なります。
- 住民票を移す必要があるか
- 移住希望者だけが対象か
- 地域活動への参加が必要か
- 利用できる滞在期間
- 所得や年齢、世帯構成の条件
- 途中で利用をやめた場合の扱い
国土交通省でも、二地域居住者向けの住まい、仕事、地域との交流環境を整える取り組みを進めています。
最新の取り組みは、「国土交通省の二地域居住の推進」で確認できます。
私が大阪に住みながら宮崎へ通って分かったこと
私は正式に二つの賃貸住宅を長期間契約していたわけではないため、一般的な意味での二拠点生活をしていたとはいえません。
ただし、大阪に住みながら宮崎へ繰り返し滞在し、地域で過ごす時間を増やしてから、2022年10月に宮崎市へ完全移住しました。
この経験は、現在の生活を残しながら移住候補地との相性を確認するという点で、二拠点生活を検討している方にも参考になると思います。
2022年1月から9月まで宮崎へ8回通った
私が初めて宮崎でサーフィンをしたのは、2022年1月です。
宮崎へ通っていた友人に誘われたことがきっかけで、その後も大阪で働きながら、移住するまで繰り返し宮崎へ滞在しました。
2022年に宮崎を訪れた時期は、次のとおりです。
| 時期 | 滞在期間・内容 |
|---|---|
| 1月 | 友人に誘われて初めて宮崎でサーフィン |
| 2月19日〜26日 | 約1週間滞在 |
| 3月13日〜20日 | 約1週間滞在 |
| 4月9日〜14日 | 6日間滞在 |
| 5月21日〜28日 | 約1週間滞在 |
| 6月18日〜25日 | 梅雨時期に滞在し、釣りや日常生活も経験 |
| 7月17日〜25日 | 9日間滞在 |
| 9月10日〜16日 | 完全移住前の最後の滞在 |
8月を除くと、ほぼ毎月のように宮崎へ行っていました。
滞在期間は6〜9日ほどが多く、サーフィンだけをして帰るのではなく、買い物、飲食、釣り、散髪など、普段の生活に近い時間も過ごしています。

6月は梅雨で思うような波がありませんでした。それでも、釣りをしたり髪を切ったりして過ごしたことで、サーフトリップだけではなく、宮崎で生活する感覚を少しずつ確認できました。
正式に宮崎の住宅を借りていたわけではないため、二拠点生活そのものではありません。
それでも、大阪での仕事と住まいを維持しながら宮崎へ繰り返し通った経験は、完全移住前に地域との相性を確認する期間になりました。
旅行だけでは地域で暮らす感覚までは分からなかった
最初に宮崎を訪れた目的は、主にサーフィンでした。
旅行中は海や飲食店を楽しめても、仕事をしながら暮らす感覚までは十分に分かりません。
生活する地域として考えるには、観光地だけでなく、次のような場所も見る必要がありました。
- スーパーやドラッグストア
- 病院や行政窓口
- 賃貸住宅がある地域
- 日常的に使う道路
- インターネット回線の提供状況
- 夜間や悪天候時の環境
旅行で気に入ったという理由だけで家を決めるのではなく、生活の不便も含めて確認することが重要だと感じました。
繰り返し滞在することで宮崎との相性を確認できた
宮崎へ何度も通ううちに、気候、地域の雰囲気、人との距離感などを少しずつ確認できました。
サーフィンを通じて現地で顔見知りができたことも、移住後の不安を減らす要素になりました。
また、大阪に住みながら宮崎市内の賃貸住宅を調べ、現地滞在の日程に合わせて物件を内見しました。
一度の旅行だけで決めるより、滞在を重ねながら仕事、家、地域の条件を確認できたことは、移住を判断するうえで役立ちました。
宮崎を選んだ理由は、「私が宮崎へ移住した理由」でも紹介しています。
移動費と滞在費で貯金が減った
宮崎へ繰り返し滞在したことで地域との相性を確認できましたが、当然ながら、毎回の交通費や宿泊費が必要でした。
当時の費用は、おおよそ次のとおりです。
| 費用 | 1回の滞在でかかった金額の目安 |
|---|---|
| 往復の航空券 | 約1万3,270円 |
| 約1週間の宿泊費 | 約2万1,000円 |
| レンタカー | 約2万〜2万5,000円 |
※2022年当時のおおよその金額です。航空券は新型コロナウイルスの影響もあり、片道5,000〜6,000円程度で購入できる時期がありました。レンタカーは友人が手配した車を利用し、自分で借りていない回もあります。
航空券と宿泊費だけでも、1回の滞在で約3万4,000円かかります。
日程を記録している2月から9月までの7回で計算すると、航空券と宿泊費だけで約24万円です。
自分でレンタカーを借りた回は、さらに約2万〜2万5,000円が加わります。現地での飲食費、ガソリン代なども別に必要でした。

宮崎へ行くこと自体は楽しかったのですが、回数を重ねるほど移住前の貯金は減りました。
完全移住を考えているなら、現地へ通う費用とは別に、引っ越しや賃貸契約のお金を残しておく必要があります。
二拠点生活として地方へ定期的に通う場合も、一回の費用だけで判断せず、年間の訪問回数を掛けて総額を計算することが重要です。
完全移住を目的に二拠点生活をする場合は、滞在費に貯金を使いすぎず、賃貸契約、引っ越し、家具・家電に必要な資金を残しておきましょう。
完全移住後にも想定外の問題が起きた
何度も宮崎を訪れていても、完全移住後の問題をすべて予測できたわけではありません。
移住した物件では、以前使っていた光回線を利用できず、別の通信回線を契約する必要がありました。
また、住み始めてから隣接する建物へカラオケ設備のあるバーが入り、夜間の騒音に悩んだこともあります。
短期滞在や二拠点生活で地域を確認しても、将来の環境変化まですべて防ぐことはできません。
二拠点生活は完全移住の失敗を減らす方法ですが、問題を完全になくすものではありません。仕事や住環境に問題が起きた場合の戻り方も考えておきましょう。
宮崎で経験した暮らしの変化や騒音トラブルは、「宮崎へのサーフィン移住の実体験」でも紹介しています。
二拠点生活を始める7つの手順
二拠点生活は、いきなり二つ目の住宅を購入せず、小さく試しながら進める方がリスクを抑えられます。
1.二拠点生活をする目的を決める
最初に、なぜ二つの地域で暮らしたいのかを整理します。
- 完全移住する前に地域を試す
- 趣味を楽しむ時間を増やす
- 親の介護や実家の管理を行う
- 地方で仕事や事業を始める
- 季節に合わせて住む地域を変える
目的が決まれば、滞在する日数や必要な住まいを判断しやすくなります。
2.毎月使える予算を計算する
現在の生活費に、二拠点目の住居費、光熱費、通信費、交通費を加えて計算します。
毎月の支出だけでなく、契約時の初期費用や家具・家電の購入費も含めてください。
二拠点生活を始めても、貯金や将来の移住費用を確保できる予算に抑えましょう。
3.候補地域を2〜3か所比較する
最初から一つの地域に決めず、目的に合う候補地を比較します。
- 現在の家からの移動時間
- 交通費
- 短期滞在施設や賃貸住宅の数
- 買い物や病院の環境
- 仕事に必要な通信環境
- 将来移住した場合の求人や生活費
移動だけで疲れてしまう距離ではないかも確認しましょう。
4.短期滞在で生活環境を確認する
賃貸契約をする前に、ホテル、マンスリーマンション、お試し住宅などを利用して地域で過ごします。
観光だけでなく、平日の買い物、仕事、移動など、日常生活に近い過ごし方をしてください。
季節や曜日を変えて複数回滞在すると、地域との相性を判断しやすくなります。
5.仕事と通信環境を確認する
会社員の場合は、二拠点目から勤務できるか、勤務先へ確認します。
現地ではオンライン会議やファイルの送受信を試し、仕事に必要な通信品質があるか確認してください。
6.小さな住まいから始める
短期滞在を続けられそうだと判断したら、予算と滞在日数に合う住まいを選びます。
最初から住宅を購入せず、家具付きの短期賃貸や小さな賃貸住宅から始めると、撤退しやすくなります。
解約条件、違約金、不在時の管理方法も確認しましょう。
7.一定期間後に継続か完全移住か判断する
二拠点生活を始めたら、半年や1年など、見直す時期を決めておきます。
- 予算内で続けられたか
- 移動が負担になっていないか
- 地方で過ごす目的を達成できているか
- 仕事に影響が出ていないか
- 地域で生活を続けたいと思えるか
- 完全移住した場合の収入と住まいを確保できるか
二拠点生活を続ける、完全移住へ進む、いったん終了するという三つの選択肢を比較しましょう。
二拠点生活は、一度始めたら続けなければならない暮らし方ではありません。費用と生活の負担を定期的に確認し、自分に合う形へ変えていきましょう。
二拠点生活を始める前のチェックリスト
二拠点目の住まいを契約する前に、次の項目を確認してください。
- 二拠点生活をする目的が決まっている
- 毎月の住居費・交通費・光熱費を計算した
- 二拠点生活後も貯金を続けられる
- 勤務先から地方の拠点で働く許可を得ている
- 出社回数と交通費負担を確認した
- 仕事に使えるインターネット回線がある
- 短期滞在で地域との相性を確認した
- 住まいを使用しない期間の管理方法を決めた
- 郵便物や宅配便の受け取り方法を決めた
- 住民票や行政手続きについて自治体へ確認した
- 病院・買い物・交通手段を確認した
- 途中でやめる場合の解約条件を確認した
最初から完璧な二拠点生活を作る必要はありません。短期滞在から始め、実際の費用と移動負担を確認してから、滞在日数や住まいを調整しましょう。
まとめ|二拠点生活は完全移住前に地域との相性を確認できる
二拠点生活とは、都市部と地方など、二つの地域に生活拠点を持ち、行き来しながら暮らす方法です。
現在の仕事や住まいをすぐに手放さず、地方で実際に生活しながら、地域との相性を確認できるメリットがあります。
一方で、次のような負担も発生します。
- 二か所分の住居費や基本料金
- 拠点間を往復する交通費
- 家具や生活用品をそろえる費用
- 二つの住まいを管理する手間
- 長時間移動による疲労
- 勤務場所や行政手続きの確認
私は正式な二拠点生活ではありませんでしたが、大阪に住みながら宮崎へ何度も通い、地域との相性を確認してから完全移住しました。
繰り返し現地で過ごしたことは移住を決めるうえで役立ちましたが、交通費や宿泊費によって貯金が減る不安も感じています。
二拠点生活を始める際は、地方の家賃だけで判断せず、現在の住居費、移動費、通信費、車、管理費まで含めて計算しましょう。
まずは短期滞在から地方での日常生活を試し、仕事と費用の両方を無理なく維持できると判断してから、二拠点目の住まいを確保することが大切です。

